5日目 かさぶた
入院5日目 退院
紐付きのスニーカーを返してもらう歩いていくのだ夢の端まで
いっこにこ忘れ物をチェックしてガラスの向こうは夢幻の景色
かさぶたを剥がしたくなる夜だっていくつも超える準備は出来た
霞んでも脆くなってもこの旗は手放さないよ震えながらも
桜咲く奇跡の星の真ん中でここにいますと叫びたくなる
退院した。荷物はまだ重い。あれもこれも、忘れられないまま歩くしかない。向かい風は追い風になって背中を乱暴に押す。歩くしかないのだ。傷跡も、泣き跡も、愛せたならば。