ミラサカクジラの短歌箱

歌人・ミラサカクジラの短歌や雑多な日記。

4日目 地獄の門

入院4日目

 

 

赤々と地獄の門が今ひらくナースコールも押せない熱で

 

ふらふらと揺れるカーテン映し出すのは灰色の空と思い出

 

ゴミ箱に捨てられていくゴミたちに話しかけたくなってきた朝

 

クーピーで必死に線をつなぐように短歌を書いて書いては消して

 

花柄のシーツに少し嫉妬する明日の朝はわたしの勝ちだ

 

 

 

明日退院することに決まった。理由は省略するが、「疲れることに疲れてしまった」のだ。退院は自分から強く希望した。

さっきから飴を舐めては噛んで、を繰り返している。明日からはどこへだっていける、手から離れた風船。行こう、大気圏外まで。