入院4日目
赤々と地獄の門が今ひらくナースコールも押せない熱で
ふらふらと揺れるカーテン映し出すのは灰色の空と思い出
ゴミ箱に捨てられていくゴミたちに話しかけたくなってきた朝
クーピーで必死に線をつなぐように短歌を書いて書いては消して
花柄のシーツに少し嫉妬する明日の朝はわたしの勝ちだ
明日退院することに決まった。理由は省略するが、「疲れることに疲れてしまった」のだ。退院は自分から強く希望した。
さっきから飴を舐めては噛んで、を繰り返している。明日からはどこへだっていける、手から離れた風船。行こう、大気圏外まで。