マリオちゃん
泥水に指をそろえて飛びこんだ37度の恋愛だった
ピーチよりマリオになりたい暗い城から君を見つけてあげる
青空が青いと思う瞬間にぱちんと鳴った世界の合図
八月を繰り返したい観覧車回れよ回れふたりはひとつ
山手線ねむった君をじっと見るこのまま一生まわっていよう
さよならをする時いつも手はふらない代わりに星座をすこしゆらすよ
ピザをきるわたしはむっつで君やっつおんなじ天国行けるのかしら
写真より手紙より生の君がいい37度をわけてあげるよ
楽園を追放されてもいいからさアップルパイを二人で食べよ
夕焼けが空と海とを溶かしてくミトコンドリアに二人でもどる
恋愛は不思議だ。すごくつよくなれる。その人のためなら、なんでもできる気がする。でも、すごくよわくなる。その人が消えてしまったら、わたしも消えたくなる。本能、なんかじゃかたせない。運命、なんかに言い換えたくない。鼓動がはやくなっても、すこし早く死ぬとしても、一緒にいたい。そんな、甘くてからいきもち。
四季がまわるように、恋愛にも冬が来るかもしれない。隣にいても、寒くてこごえてしまうような季節が、来るかもしれない。それでも暖めあえたなら、信じられたなら、また春が来る。窓を開けて風が耳を撫でたら、走り出したくなる季節が。
だからこわくないよ。あなたがすきです。